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どことも知れない世界の、どことも知れない辺境の荒野に佇立する巨大な『駅』。幾つもの駅が集合した姿であり、一つの都市ほどの広がりを持つそこの片隅で、その日暮らしを送っている『二人だけのサアカス団』。団員は座長の少年、オキカゼ・Bと、相方であり一人見世物である三眼の女、沙流江だけ、だ。この二人、小さな移動舞台で辺境各地を巡り、怪しげな興行を行っていたものの、この駅まで辿り着いてとうとう移動舞台が動かなくなってしまい、以来しみたれった停滞の日々を余儀なくされていたのだ。「どうにか一ッ旗、上げてぇよなあ。こいつをもう一度、動かしてよう」「だねえ。なにかこう、派手に人目を惹く、大一番をやらかしたりてさ」そして───その二人の願いは叶えられた。ある日、それまでうんともすんとも言わなかった移動舞台が、二人の思惑を越えた、暴走を開始したことによって。一度動き出してしまった移動舞台は二人がどうやっても止めることはできず、駅内のあらゆる場所を問わず爆走していく。始めは二人だけのトラブルだったのに、そのうち駅に住む人々を巻き込み、雪だるま式に騒動を膨れあがらせながら。二人と移動舞台の暴走は、終いには駅全土を蹂躙して───
シリーズ:星継駅
ジャンル :時代モノ ファンタジー
どことも知れない世界の、どことも知れない辺境の荒野に佇立する巨大な『駅』。幾つもの駅が集合した姿であり、一つの都市ほどの広がりを持つそこの片隅で、その日暮らしを送っている『二人だけのサアカス団』。団員は座長の少年、オキカゼ・Bと、相方であり一人見世物である三眼の女、沙流江だけ、だ。この二人、小さな移動舞台で辺境各地を巡り、怪しげな興行を行っていたものの、この駅まで辿り着いてとうとう移動舞台が動かなくなってしまい、以来しみたれった停滞の日々を余儀なくされていたのだ。「どうにか一ッ旗、上げてぇよなあ。こいつをもう一度、動かしてよう」「だねえ。なにかこう、派手に人目を惹く、大一番をやらかしたりてさ」そして───その二人の願いは叶えられた。ある日、それまでうんともすんとも言わなかった移動舞台が、二人の思惑を越えた、暴走を開始したことによって。一度動き出してしまった移動舞台は二人がどうやっても止めることはできず、駅内のあらゆる場所を問わず爆走していく。始めは二人だけのトラブルだったのに、そのうち駅に住む人々を巻き込み、雪だるま式に騒動を膨れあがらせながら。二人と移動舞台の暴走は、終いには駅全土を蹂躙して───
シリーズ:星継駅
ジャンル :時代モノ ファンタジー